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お吟さまのpapandaのレビュー・感想・評価

お吟さま(1978年製作の映画)
3.8
40年以上に渡る志村喬・三船敏郎共演の最終作。ラストの2人は圧巻としか言いようがない。吟の高山右近への内に抱いている熱く激しい思い、朝鮮出兵への対立、吉利支丹の信仰、いろいろなことが積み重なって利休の切腹へと進んでしまう。この時代のこの身分の女性は個人の思いとは関係なく政略の道具に使われることが当たり前。だから吟がたまに思いを吐き出す様が哀れだ。
それにしてもこの映画の登場人物の挙手、仕草、動作のなんと端正なことか。美しい日本を見たような気がする。
そして伊福部先生の音楽。バロックリュートの響き、利休の家人の仕事歌、吉利支丹の讃美歌、心の中に揺蕩う思いを静かに表す曲、思いが爆発する時の音楽、堪能した。
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