はるちゃん

令嬢ジュリーのはるちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

令嬢ジュリー(1951年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

回想シーンと現在の語り手が地続きで映るのがおしゃれだった。ちょうとこの間見た「エレニの帰郷」にもそのような場面が。

気がつくといるマックス・フォン・シドーさんの存在感。

お話は、母親の復讐の道具にされちゃった令嬢の悲劇。男を憎むことは教えたけど、男を教えなかったばかりに、男の嘘を見抜けず、純粋なまま死んでしまった令嬢。人生で初めて打ち明けた辛い身の上話すら、相手の男にはそれほど興味がなかったのでは。

逆に年の功と小手先の賢さで、その話から分かった彼女の心の傷を男に利用されてしまったんだね、ジャンは駆け落ちする気も一緒に死ぬ気もさらさらないように見えましたし。貴族の会話を小耳に挟んだだけで彼らの考えや好みを得心して、それらしい作り話で喜ばせられるなんて並の頭脳と口先じゃないし、令嬢だけ死なせて逃げ切ったと安堵してしれっと御者を続けてそうなタイプに見えます。

嫌な男ですね。マーラー中尉の方が断然いいですね。

ヨーロッパの階級のことはあまり分からないんだけど、ただただ悲しいね。OPのかごの鳥が全てを象徴してた。その死までも。

メモ
ショパンのワルツ3番かな