ぱりぱり

「A」のぱりぱりのレビュー・感想・評価

「A」(1998年製作の映画)
4.0
地下鉄サリン事件から一年、オウムの内部を映すドキュメンタリー
荒木さんをはじめとする信者たちは真面目で誠実そうな人に見える

ハイライトは公安に職務質問をされた信者が突き飛ばされ、その後逮捕されるところ
公安の人が突き飛ばしたのは映像からも明らかなのに、自分が突き飛ばされたと言いながら、脚を引きずって歩くのを見て、この人は自分が信じる正義を揺るがない根拠として、本当に自分が突き飛ばされて、膝を強打した、と無意識のうちに信じてしまってるんじゃないかなと思いました
こういう「普通の市民」もオウムの信者と同じように何かの正しさを信じているのでは?

オウム真理教被害者の会の中野さん?が荒木さんに優しく諭すシーンも忘れられない
中野さんは信者の父兄だと思うけれど、「被害者」なのにこのドキュメンタリーで映される他の一般市民とは明らかに違って、一方的に乱暴な言葉を浴びせるのではない

見ている間ずっと、正体がよくわからないモヤモヤが渦巻いてました