なーこ

「A」のなーこのレビュー・感想・評価

「A」(1998年製作の映画)
4.2
オウム真理教について私が知っていること。
私の産まれる前のこと。地下鉄にサリンを撒いたこと。たくさんの人が犯罪の被害にあったこと。

fakeで好きになった監督がオウムのドキュメンタリーを撮っていた。

ドキュメンタリーってお互いの信頼関係で成り立つものだと思うんです。全てを曝け出すんだから隣で撮るには相当な時間がかかる。

あんな警官がいて、常に追ってくるメディアがいて、この映像が救った権利を思うと偉大だとも思う。

この作品はただのドキュメンタリーじゃなくて人権や社会保障、犯罪に対する刑罰を考えるきっかけ。こんな人がいたんだ、で終わりじゃないし、犯罪を犯した人をみんな死刑にして終わりじゃない。それをどう食い止めるか、次に繋げるかが重要であって、若い人に残せるしるし。

もし私だったらどうするだろう。人生を救われて、その人のおかげで変われたのにその人が恐ろしい普通の人だったら。
私はそれでも信じるだろうか、その人がくれたものを全て否定して極刑にしてくださいと言えるだろうか。
なーこ

なーこ