こめちゃん

「A」のこめちゃんのレビュー・感想・評価

「A」(1998年製作の映画)
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地下鉄サリン事件からもうすぐ30年。3/20あたりにはやはり多くのメディアがこの事件を取り上げる。自分がいつも利用する駅で起こったことなので、他人事では考えられないと思っていた。私の父もその日はたまたま休日だったが、いつも乗る時間帯の電車で起こったとか。興味はあったものの、なにか観るきっかけが欲しいと思って、そんな3/20にこの作品を観てみた。

監督の森達也さんが自分の高校に公演にいらっしゃった時に、この作品の存在を知った。「集団に流されず個として生きるには」という本を事前に読んでから聴いた公演だったが、この作品となにかリンクするものがあった。

世間の関心度が高まるなか、利益を追求しようとするマスコミの強引な取材をみて、なんとも複雑な気持ちになった。

森さんが公演でもおっしゃっていたが、この作品を観ると信者の人もただ普通の人だということが分かる。非信者が抱く"信者=凶暴"なイメージはマスコミの印象操作によるものではないか、という話。(もちろん教団の起こした事件については許されることでは無いが)現代ではメディアを通じて膨大な量の情報を得るが、そこで一般的な意見にただ流されるのではなく、個人として問題に向き合うことで、集団に流されず個として生きることができるのだろう。
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