なお

007/ゴールデンアイのなおのレビュー・感想・評価

007/ゴールデンアイ(1995年製作の映画)
4.2
007シリーズ第17作にして、”5代目”ボンドとして歴代ボンドの中でも未だ高い人気を誇るピアース・ブロスナンの初主演作品。

自分の中で「ゴールデンアイ」といえば、家庭用ゲーム機・NINTENDO64対応で発売されていた同名のゲームソフトを思い出す。

当時としては珍しい一人称(FPS)視点のシューティングゲームで、小学生のころ友達の家に入り浸って何度もプレイしていたっけ…

✏️全てがパワーアップ
前作『消されたライセンス』の公開から6年。
その間ベルリンの壁が崩壊し冷戦が終結するなど、スパイ映画である本作にも多大な影響を与えたであろう事件や出来事も多数起きた。

時代の流れとともに、映像技術や音響(音楽)に演出、そして演者たちのアクションシーンや銃撃戦シーンなどが目に見えてグレードアップ。
まず冒頭、ダムからの決死のダイブシーンでグッと心をつかまれ、両目が画面に釘付けになる。

”新生”007シリーズにふさわしいスケール感のストーリーをベースとし、ロジャー・ムーア時代を思わせるユーモアあふれる会話劇と硬派なスパイ・アクションを堪能できる。

個人的に度肝を抜かれたのは、本作ヴィランのひとり・ウルモフとボンドによる「戦車カーチェイス」。
街も車も関係なくすべてをぶち壊しまくりながら敵を追いかけるボンドの姿は、アクション映画ながらちょっとしたギャグ作品的なテイストもあり見ていて楽しい。

シリーズ初のドルビーデジタルに対応したこともあってか、上記シーンも含めアクションシーンにおける迫力は満点。

✏️時の流れとともに
ボンドだけでなく、MI6の主要メンバーのキャストが変更になったのも本作のトピックのひとつ。

ボンドに指令を与える役回りである”M”が女性になったのには特に驚いた。
(ちなみに1990年代当時、MI5のトップが実は女性であることが判明したことから、本作でもM役に女性を抜擢したらしい)

ボンドとマネーペニーの軽妙なかけ合いの中にある、チョッとピンクなボンドの返答に対して「それ、セクハラよ」と返すシーンがあったのも印象的。

「セクハラ」という言葉自体は1970年代から存在したらしいが、そういった「セクハラに対する意識」や「セクハラを許さないという気運」が高まっていたのもちょうどこのころ。
(ちなみに、前作が公開された1989年の新語・流行語大賞では「セクシャルハラスメント」が金賞を受賞していた)

男性優位であった社会情勢がそうではなくなってきている、という時代性を取り入れてのことなのかは定かではないが、銃だけでなく美女の扱いにも長けるボンドには少々生きづらい世の中になってきているのかもしれない…

☑️まとめ
名優・ピアース・ブロスナンのカッコよさも光る。
女性だけでなくオトコも惚れちゃう甘いマスク。
そういえば、角度によってはトム・クルーズとか伊藤英明に似ているような…

先に挙げた映像・音響技術の進化に加え、スピード感と迫力あふれるアクションシーンの凄まじさに驚きっぱなしの2時間。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★★
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

🎬2023年鑑賞数:5(1)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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