けーはち

仮面ライダーワールドのけーはちのレビュー・感想・評価

仮面ライダーワールド(1994年製作の映画)
3.3
昔のディスクを掘り出してきたら残っていた系。『仮面ライダーJ』の映像特典。今作はZOとJ、2人のライダーが共演する9分足らずの短編となっている。いずれもRX終了後の90年代、仮面ライダーのTV放映がない時代にビデオリリースされたライダーで、ZOは雨宮慶太監督の出世作にして平成最強最悪怪人ドラスを生んだ快作、Jはライダー集合映画で散々デカブツのイロモノ枠として使われてきた不遇の(ある意味おいしい?)作品。全身深緑の野性味あふれるバッタ怪人という原点回帰の風貌は平成の1号・2号を目指したのだろうが、これ以降の展開は特に無かったね。この頃の特撮は明快な勧善懲悪、キビキビ動きながらビシッビシッと止め画を見せるアクションの立ち回り、必殺技における見栄切りなど、平成に衰退の一途を辿る時代劇の転生した姿であると言える。そして、今作悪役は万能敵キャラである世紀王シャドームーン。しれっと巨大化してJと大立ち回りを演じる。ウルトラマンのような巨大特撮プロレスのエッセンスを取り入れたノロノロ格闘も味わいがある。平成ライダー誕生前夜の特撮の美味しいエッセンスが詰まったショートフィルムである。