レアリテ男爵

幸福のスイッチのレアリテ男爵のネタバレレビュー・内容・結末

幸福のスイッチ(2006年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

実際の制作された年よりもさらに昔のコトのように感じたのは、映像がどこか懐かしい感じなのと、なにより昭和を思い出す街の電気屋が中心の作品だったから。

有名な俳優さんも当時は若くアオくて新鮮だったし、少しクサい芝居も、あったかく見守ろうって気持ちで観続けられたから不思議。
沢田研二さんかて、トーキーオー♪ なんて歌ってはったバリバリの歌手がルーツやし、そりゃあ、息づかいやら、セリフの声量の抑揚やら、俳優出身のベテランさんとかに比べたら可哀想やしね、、、^^;

安田真奈監督の、電気屋、電器屋、を取材され集められたガチな電気屋アルアルを伝えてくれた功績もあるし、同監督の働くお父さんやらおっちゃんやらに対する並々ならぬ愛情が感じられる作品やった!

3人娘はみんな可愛いし美人、キャラも三者三様見事に違いまくり面白い!父親への態度も、浮気疑惑をジンワリ許すまでのプロセスも丁寧に三姉妹ならではの反応を観せてくれて嬉しかった!

話は今作品から飛ぶが、僕がコンプリートで全て買って持っている「北の国から」の田中邦衛演じる黒板五郎父さんが、北海道の農業がとても難しい中で、さらに難しい無農薬に挑戦する黒板五郎が、親戚の岩城滉一演じる北村草太が大借金しながら農薬もトラクターもバンバン投入して広大な土地で一大バクチのような派手な農業をやるのとは対照的に、ちっさい土地で無農薬で、田舎の限られたヒトにだけ作って売るスタイルの農業をしてるときに、息子の吉岡くん演じる黒板純に言ったセリフ、、、
おいら、ちっちゃくやるんだ、有難うの声が届く範囲で、おいら、ちっちゃくやるんだ

この映画の電気屋オヤジのやってる事も、まさにちっちゃく、手厚く、人情味あふれまくりの、もはや単なる商売を超えて、かかりつけの医者のようなレベルで高齢のご近所を気遣う。。

そんな日本の風景があったってことを、安田監督は伝えてくれるし、僕も今や家電量販店でポイントつきまくりの買い方しかやらなくなっても、ココロの片隅には田舎の電気屋でのささやかなエピソードが残ってるし、その記憶だけは忘れたくない!!