日本がかっこよかった。
ミヤンマーの女性政治家、アウンサンスーチーさんを描いた政治ドラマ。
監督がリュック・ベッソンというところが驚き。
リュック・ベッソンといえば『グラン・ブルー』で『レオン』で『フィフス・エレメント』。
どこを振っても、政治映画なんて出てこないような気がしてたんだけど…。
いったいリュック・ベッソンは何に惹かれたんでしょう。
アウンサンスーチーさんについては、長く軟禁状態に置かれていたこと、ノーベル平和賞を受賞したことくらいしか知りませんでした。
父親がビルマ建国の父と呼ばれるような人だったらしいのですが、アウンサンスーチーさん自身が、政治の世界に入っていった理由はよくわかりません。
この映画の弱みはそのあたりでしょうか。
海外留学をしてイギリス人と結婚し、たまたま帰ってきた祖国で、軍事政権による学生の虐殺を見て政治の世界に走ったように描かれているのですが、そのあたりの描き方が少々あっさりしすぎ。
だから、それからのひたすら軟禁生活にたえる姿にいささか説得力を欠くのではないでしょうか。
その反面、妻のためにノーベル平和賞受賞に奔走する夫の姿は、政略的であるにもかかわらずかえって好もしく感じます。
このように使ってもらえるのなら、ノーベル平和賞も意義があるなぁ。
もっとも、そういうところがノーベル平和賞の問題点でもあるんだろうけど。
マララさんの受賞、日本国憲法9条のノミネートにもそんな意義があるんだろうなぁ。
スーチーさんの軟禁を解くために、アセアン加盟を条件に日本が交渉を進めるところが描かれていますが、我々日本人には誇らしい描かれ方。
ここらへん、意外に日本人は知らないところだから、日本政府はこういうところをこそもっとアピールすればいいのにと思いました。
平和主義ってこういう事じゃないかと思うんだよね。
アメリカみたいに軍事力に物を言わせるのではなく、国際社会や経済力を背景に交渉することがいかに大切かという事でした。
2015/10/4 18:41
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