地方都市の競馬場でなけなしの金を大穴に賭け、見事に惨敗した老人 菊次郎(緒形拳)。ひょんなことで知り合った少女ひとみ(清水真実)のために、60万という金を用意してやることになった彼は、馬運車から地元の名馬リュウセイを自宅に連れ去ってしまう。翌朝、菊次郎は馬主の早川(秋山道夫)にリュウセイの身代金60万円を要求するが、肝心の馬は菊次郎が目を離した隙に逃げ出してしまう。
トラブルらしいトラブルは起きないのに交渉は上手くいかない。馬主が何を考えているか分からない。コメディのようでコメディじゃない。何一つ解決していないように思えるが何故か皆すっきりした笑顔を見せる不思議な作品。