EDDIE

マイ・プライベート・アイダホのEDDIEのレビュー・感想・評価

3.6
人生はどんな境遇であれ劇的に変わることはない。そう、淡々と自分の物語は続いていくのだ。リバー・フェニックス&キアヌ・リーブスらの魅力全開なロードムービー。

グサヴィエ・ドラン監督の『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』で、本作のオマージュと思われるシーンが撮られたとあって、私は本作未見だったので是非とも観てみようと考えていました。
しかもキャストが前述した2人ですよ。これは堪りません。
なるほど、彼らのバイク2ケツのシーンがそれですね。ドラン監督も本作からのオマージュだと確か何かで答えていた気がしますが、これ映画観ただけで「あ!プライベートアイダホのオマージュだ!」ってわかるもんですかね。私は本作鑑賞してすぐに『ジョンFドノヴァン〜』観ても絶対オマージュだとは気付かないと思います。

それにしても本作結構辛いですね。
主人公マイクを演じるリバー・フェニックス。将来を期待されながらも早くに逝ってしまったホアキンのお兄さん。今頃どんな俳優になっていたんでしょうか。
そんな彼は男娼として生計を立てながら、しかし自身も同性愛者であり、ただお金のために体を売るキアヌ演じるスコットとは対照的なんですよね。
さらにはナルコレプシーの持病持ちという何ともキツい境遇にある設定です。

親友としてマイクの母親探しを手伝うスコット。アイダホ、シアトル、ポートランド、ローマと場所を移しながら、2人の絆は深まっていくと思われた…がしかし。という内容。マイク目線で見てるととにかく辛いです。

私も好きなガス・ヴァン・サント監督作品ということもあり、とても叙情的な作品でした。ただ眺めているだけでは肝心なメッセージを見逃しそうな気がします。
クライマックスをどのように捉えるかで作品に対する向き合い方や評価は変わりそうですね。
私はスコットの選択を否定しませんし、できません。
だけどこれがマイノリティな人々の迎える結末だと考えると少し残念に感じます。
だからこそラストの展開はマイクにとっていい未来の始まりだといいなと切に願うばかりです。

※2020年自宅鑑賞142本目
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