すずす

黄色いからすのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

黄色いからす(1957年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

1958年のゴールデン・グローブ賞外国語映画賞を受賞した歌舞伎座制作の映画。
家庭に恵まれない子供の絵には、無気味な色彩が使われるというテーゼを基に作られた、社会派風味のヒューマンドラマ。

以下は物語。

戦後の抑留から帰還する夫を岸壁で待つ妻(淡島千景)と、もうすぐ9歳の息子。息子は父(伊藤雄之助)に会った事がなく、感動の再会とは程遠い。

父は元の会社に復帰するも、元部下の課長にダメ出しされ、鬱憤が溜まる日々。そして、息子が愛玩している20日鼠をバイ菌の媒介と毛嫌いしている。
家族3人の為、母を父に取られた感じになる息子。少年の唯一の救いは養女と暮らしている、優しい隣のおばさん(田中絹代)で、水族館に連れていってもらう。しかし、虐められた友達を守るため、近所の悪ガキに怪我をさせ、叱られ、少年の心はすさぶ。

彼の描いた黄色いカラスを見て、家庭訪問する優しい先生(久我美子)。少年に妹が誕生し、少年が隠れて飼育しているカラスにかまけ、赤ん坊の妹をめぐり近所の悪ガキと喧嘩、妹が怪我を負う。父だけでなく、母にもつきはなされ、遂に家出する少年。優しい先生の家に向かおうとするが、暴風雨に見舞われる。捜しにでる、お隣りさんと父。捜索は深夜に及ぶが、隣のおばさんの家に戻って寝ていた。

お隣に嗜められる母、そして父も改心する。正月の朝、息子と凧揚げに興じるのだったーーーーーーーーー

と、この時代の家族モノの定番で、美味しい所を田中絹代が攫っていきます。キネマ旬報57年度23位。
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