ヘラルドスクエア

黄色いからすのヘラルドスクエアのレビュー・感想・評価

黄色いからす(1957年製作の映画)
3.3
こういうのが見たいんです。
人情ファミリードラマ。
舞鶴港の引揚と再会のシーンは名場面じゃなかろーかと。
鎌倉、湘南海岸周辺のロケが多いのも嬉しい。
防砂の松林の中までカメラが追いかけるダイナミックな演出です。
当時の家族の典型ですかね。
なんだかんだお父ちゃんを中心にまとまって一生懸命なのは安心します。
お父ちゃんの傍若無人さも納得感もありいいです。今なら確実にDV認定ですがそんなことは言ってられません。
悲喜交々あるし、子どもの成長とともに悩みが増えるけど、問題は複雑化せずにどんどん乗り越えてしまう様は戦後激動期とはいえ、こと家族の問題についてはのどかな時代だなと思います。
にしても田中絹代さんは画面を締めますね。
凛とした佇まいはこちらも背筋が伸びます。