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Sweet Rain 死神の精度のxyuchanxのレビュー・感想・評価

Sweet Rain 死神の精度(2007年製作の映画)
3.3
のこり1週間で死ぬ運命の人たちを調査し”実行か、見送りか”を決めるのが仕事の千葉。彼はMusicが好きで黒い犬と雨を連れ白い手袋をしている。
https://youtu.be/hvpAjjMEHxw

2000年代はじめ推理小説にハマってた頃「オーデュポンの祈り」「ラッシュライフ」で知った伊坂幸太郎。作風が好みなのはもちろん、年齢も近く元SE同士と親近感もあって文庫は必ず買って読んでる。

現実と非現実の境界線を行き来するような世界観。登場人物達の小気味好いキャラと会話。無関係にみえて徐々に絡み合ってくる群像劇。ハッとさせられるような伏線回収。ある意味潔い絶対悪や運命に、翻弄されつつもしなやかに生きる人たち。

登場人物たちが他作品にカメオすることでリンクする伊坂ワールドも楽しみのひとつ。いま考えるとプチMCUみたいだね。

「伊坂幸太郎の作品間でリンクしている登場人物(キャラクター)まとめ」
https://www.panzee.biz/archives/8076

もはや伊坂芸ともいうべきパターンがあって飽きそうな気もするのだけど、心があったかくなる独特な読後感があって、読み返すたびに”やっぱり好きなんだよなぁ”って思う。

さて、伊坂作品はすでに12作品が映画化されているけど、残念ながら?当然ながら?原作以上といえる作品はない。あるていど満足できたのは「アヒルと鴨のコインロッカー」と「重力ピエロ」「フィッシュストーリー」「オー!ファーザー」の4本。

で、この作品は、原作を知らなければ満足できたかも?と思えるレベル。原作にない変な副題はスルーするとして、千葉を演じた金城武と、小西真奈美のキャスティングや世界観の再現はなかなか。

続編モノも少なくない伊坂ワールド、この「死神の精度」も「死神の浮力」という続編がまた良い味(チャリのシーンとかw)だしてるので、興味持てた方はぜひ小説で両方読まれることをオススメします。


はい。白状すると実は「サブマリン」読む前にと昨夜「チルドレン」を再読し終えて、伊坂幸太郎について書きたくなっただけでした…笑
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