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かくも長き不在のhoshのレビュー・感想・評価

かくも長き不在(1960年製作の映画)
4.0
見事なロングショットと閑散としたパリの街並みを魅せる構図が美しすぎて眼福だった。

本編中カーテン、扉、鏡と記憶を失くした夫と妻を常に何かが隔てている。終盤その距離が0に近づく、ため息が出るほど切ないダンスシーンがあるのだけど、そこで再び鏡越しに映し出される戦争の傷跡には息を呑んだな…
ラストの仕草も含め本人以外には絶対に踏み込むことが出来ない大きな距離がある。戦争は静かに、確実に人々を引き裂く。痛みと孤独が伝わる演技も見事でした。
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