ーcoyolyー

かくも長き不在のーcoyolyーのレビュー・感想・評価

かくも長き不在(1960年製作の映画)
3.8
行間に漂う虚無。

『二十四時間の情事』とどこか通じるような邦題だなと気になっていたら両方ともマルグリット・デュラス脚本だった。

デュラスの描くというか意識的に描こうとせずとも描写されてしまう虚無の気配というのは私のそれとどこか通じるような気がして一緒にいると落ち着くんだ。

行間に漂う虚無、疲れ。世界のどこにも居場所がないような。

芸術、文学。私たちの居場所はここにしかない。

カフェの名前がCAFE DE LA VIEILLE EGLISE、日本語にすると「古い教会のカフェ」というような意味だったのが目を引いて。教会。そうだな、教会。主人公にとっての教会はカフェ、あのカフェが祈りの場。私たちにとっての教会は文学。いいな、教会。私も何か機会があったらL'église と名付けたい。
ーcoyolyー

ーcoyolyー