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わるい仲間のsonozyのレビュー・感想・評価

わるい仲間(1963年製作の映画)
3.5
フィリップ・ガレルやジャック・ドワイヨンらと共にポスト・ヌーヴェル・ヴァーグの監督とされるジャン・ユスターシュの初期短編。
パリ郊外。金のない二人の男(ダニエルとジャクソン)が街をぶらつき、前を歩く女性をナンパし、3人でナイトクラブへ入ったものの、別の歳上男が彼女をダンスに誘い、手持ち無沙汰になった二人は、彼女のハンドバッグから財布を盗んで全速力で走り、ダニエルのスクーターでカフェに移動し財布の中身を確認すると・・・

この二人のしょーもなさが最高。笑
この女性、DV夫と別れ当面ホテル暮らしで、2人の子供も抱え、10日前に印刷所の仕事を辞めて求職中ということを話すので、ナンパ男たち普通なら身を引きそうなんですが、なぜか前のめりなのが面白すぎる。
前半でダニエルに後頭部ハゲを指摘されてるジャクソンが、ダニエルの部屋で鏡見ながら「俺イケメンだと思わない?なぜ女の子が気づかないんだ?」にダニエルが「ここの照明の効果だよ」のやり取りも。笑
ナイトクラブで彼女を三度もダンスに誘うしぶとい中年男と、嫌な男と言いながら断らない彼女も。笑

映画『切腹(Harakiri)』の上映館が出て来たので、そういえばこの作品観なきゃだったと思い出す。

ジャン・ユスターシュ監督は、42歳の時にテラスから落下し脚が不自由になったことに絶望し、同年に拳銃自殺してしまったんですね。
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