終戦の日の午前中に観ました。
長い映画と思う以前に長い戦争でした。戦争で亡くなるのは前途ある若者たち。特攻隊を送るシーンで予科練の歌(若鷲の歌)が流れ涙が止まらなくなりました。あんなに初々しい若い男の子達が騙されて死んでいくのが戦争です。
近衛隊を利用した若い将校のクーデター未遂(宮城事件)は知りませんでした。
熱き血潮は生きてこそ、自分のために大切にしてください。尊い生はあっても尊い死はありません。死に形容詞をつけられない。生きているからこそ、命は尊く美しいのです。尊いことは生きている命が為すことです。死によっては為されません。
若い命を犠牲にしてはならないのに、上層部は、
「まだまだ戦えます。大和男子の半分をさらに投下すれば必ず勝ちます」
「この戦いは途中で止めたら今まで亡くなった兵士達が浮かばれません」
勝っても負けても戦争は集団的人殺し。
平和は日々の努力あって築けるもの。平和はそれを思い願うだけでは得られない、維持する行動を努め、築きあげていく終わりなき行為の連続、プロセスなのだと思います。
見終わって、そんな感想を持ちました。
私は戦争の映画を避けてきました。毎年8月は戦争の本を読む習慣を子どもの頃から続けて来ていて、映画には娯楽要素があり、あえて生々しく表現するから、観る必要はないとどこかで思っていました。でも観なければ感じられなかったことや、考えられなかったことが、まだまだあることを知りました。観て本当によかったです。
この作品は豪華俳優達の緊張感ある演技が素晴らしく、多数の登場人物が出てくるのに、一本の筋に収束していき、時系列で無駄のない画が見事でした。
この作品もあえて点数をつけません。
長くても観てよかったと思いました。
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