狂信。「国体」というものを信じて、持続を訴える青年将校たちの姿は、国や形を変えてこそ今現在も有り続ける。
ISしかり、トルコのクーデターしかり、いろんなところで該当するように思える。
宮城や宮内省、首相私邸に突入し、荒らしまくるようすを描写することで、監督はその異常性を訴えている。
「陛下」という単語を聞いただけで直立不動になる青年将校たちの姿も滑稽なのだが、それが宮城などに土足で入りこむ(つまり不敬な行為に出てしまう)というあたりが怖い。
実際はボヘミアンで東大卒のインテリだが、劇中では玉音放送阻止派を演じる「死に神博士」こと天本英世の演技も壮絶だし、狂信的な黒沢年男の目をむく姿も激しかった。
全体に岡本喜八監督ならではの視点が光る。