セキ

L.A.大捜査線/狼たちの街のセキのネタバレレビュー・内容・結末

L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

どこでも観れなくなっていて、Amazonではプレミアすら付いていたのでTSUTAYAディスカスで取り寄せてやっと観れた。
良くも悪くも変な映画だった。めちゃくちゃに期待してしまっていたからこそ少し厳しめに書きます。
刑事たちが偽札師を追っていくうちに、ある一線を超えてしまうという物語。
常に話がどこに向かってるかわからないんだけど、かといってライド感も足りなくて楽しみきれなかった。
フリードキン作品としては、展開が類似している『フレンチコネクション』の方がよっぽど映画としては巧いし、かといって『エクソシスト』のようなアクの強さも見当たらない。
アウトロー映画をフリードキンが撮り、よくわからないものができてしまったということそのものにこの映画の意味があるのかなと思う。
あるポイントで主人公がポンと殺されるというのは面白かったし、アクションも始まってしまえば見応えがある。映画としては質の低いものでは決してない。ただ何かが足りないのだ。
ウィレムデフォーがとことん良い俳優なのでこの作品は成り立ってるよなとも思う。どう考えても主役を喰ってるし。だからこそ、中盤で麻薬取引パートで話運びに遠回りが起きてデフォーが出てこなくなってしまうのは映画の引きとして弱くなってしまった印象。(その後の展開としてはこのパートは効いてるんだけど)
あと偽札作りのシーンのディティールが凄すぎて笑ってしまった。

ずっと面白くなりそうなのに、いまいち盛り上がり切らないまま終わってしまった。
アクションサスペンスなら緩急はもっと欲しかった。
1980年代のアメリカの能天気さは十分に出ていたし、むしろそこに引っ張られたからこそこんな混沌とした作品になったんだろうなと思った。
まあなんとか観れてよかった。
セキ

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