ハマジン

沖縄やくざ戦争のハマジンのレビュー・感想・評価

沖縄やくざ戦争(1976年製作の映画)
3.0
千葉真一のどこまでも過剰な芝居と身体。1人だけフィクションの次元が違う。銃弾に斃れるかと思いきや逆立ち一回転しての退場。「ケダモノ」度でいうと、米占いにじぃーっと見入るかと思えば便所で突如女性に襲いかかり、情婦の金を分捕りつつ窓をぶち破って追手から逃走する渡瀬恒彦のほうが獰猛な小動物っぽい。
本土(ヤマト)-沖縄の従属関係を、本島-久米島が縮小再生産する悲惨。その背後に米-日の関係がほの見えるつくり。追い詰められた松方弘樹の組が最終的に立てこもるのが「墓の中」というのも示唆的。ペンチで局部をねじ切られた室田日出男がしぼり出すように繰り返し呟く呪詛「たっくるせぇ…たっくるせぇ…」が、作品全体の暴力に反響する。
千葉真一がちゃぶ台に飛び乗り小さくジャンプする度、コーラの瓶がカタカタッ…とかすかな音を立てる。こういう細かい演出まで抜かりなく仕上げる中島貞夫。
あと、車で何度も往復して轢き殺すとこ、偶然にもついこの間バーヴァ『リサと悪魔』で見たばかりだった。
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