April01

サブリナのApril01のレビュー・感想・評価

サブリナ(1995年製作の映画)
3.3
パリ編を長く描きすぎ。おそらく時代に合わせてサブリナが自立した女性に変化する過程を描きたかった為に、カメラマンという手に職をつけさせるという意図があったかな。
オリジナルではパリの料理学校で修行してお金持ちの年寄男爵と交流するという設定だったから、そのままでは時代に合わないということなのだろう。
ただしその為に大女優ファニー・アルダンを、主人公がインスピレーション得るパリ女としてチョイ役で使ったり、贅沢なキャスティングが逆にわざとらしく感じるし、パリでの恋愛エピソードも余計だった気がする。

オリジナルに比べて良いと思ったのは、ハリソン・フォードとの恋愛ケミストリー。
純粋に人を好きになり惹かれ合う過程が、より丁寧に描かれている。
あり得ないと思いつつも、ラストのミエミエな再会は、こういう純な恋愛したいな~とちょっとシンデレラ気分を味わえて、そういう意味では現実から離れたおとぎ話を楽しむ感覚でエンタメ作品としては悪くない。

特筆すべきは、コスチューム・デザインのアン・ロスさん、さすが!
特に良いと思ったのは、ララビー邸での誕生日会でサブリナが着用する黒のイブニング・ドレス。羽織ってるスパンコールを紡いだ透けたトップスの美しさと、胸元を強調したアンダーのブラックドレスとの絶妙なバランス!

それと2人がデートするモロッコ料理レストランの雰囲気が最高すぎて!
内心好きだなと思ってる人と、こういうシチュエーションで床に座って丸テーブルごしに美味しいお酒と料理で盛り上がりながら、手づかみで食事するとか絶対距離縮まるに決まってる!
一緒に食事するって最終ゴールに突き進む前の相性確認の再近道だと改めて思う。

オリジナルがオードリー・ヘップバーンの魅力を最大限に引き出す作品だっただけに、どうしてもジュリア・オーモンドが物足りなく感じてしまうのは仕方ない。特にパリから戻った時、老けて帰ってきた!と思ってしまった時点でがっくり。
オードリーのあのショートヘアの輝きは、オードリーだからこそなんだな、と再確認。
April01

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