LUXH

ロード・オブ・ドッグタウンのLUXHのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

The 青春!友情!地元!開拓!スケート&サーフィン愛!

なんか、いつ制作されたのかなって解らない。古い時代の実話ってことは最初からわかるけど、時代を馬鹿にしてないしドラマチックありありの誇張もしてない。ふんだんにスケートボードを滑りまくってるけど、超文科系で体育2だった私でもわくわくした。音楽の勢いにも乗せて大まかには2年位だろうか、ドッグタウンで育ちスケートボードで脚光を浴びそれぞれの道を歩みながらも交流の続く彼等の青春時代にスポットが当たっている。

この作品の良いところはいい意味で狭い世界しか知らない(言葉遣いの悪さやハメを外すところはあっても)無垢な子供の目線で描かれているところだ。大人に踊らされたり、大人の目を盗んだり、ビッグチャンスを掴んだり一蹴したり。各々の背景、薬と女の子事情が少し。友情と地元と若くして将来への大決断を歩んだ先の事が触れられている。

そして驚くべきはそのドッグタウン(=Z-Boys)出身の主人公ステイシーが脚本を、トニーとジェイが役作りの指揮をとったとのことだ。DVDでは彼等の解説も入ってるし、それぞれの役を演じた子達(20歳前後?)と監督が和気藹々とした解説をしている特典映像がある。そして監督本人のみが映るノリノリな数分の紹介映像付き。"PG13だったけどDVDでは汚い言葉も全部入れてあるわ!"なんと女性だったんですね、若い!?と思って年齢調べたら当時50歳!余計若い!裏はとってないけど美術習って建築習って映画の学校に?!アクティブ!!

それで監督とは大体30歳差なんだけれど彼女が彼等の目線で打ち解けて話してるのが解るし、彼等も等身大より気持ち幼く振舞って甘えてる感じがして微笑ましい。それからZ-Boysとは大体2歳差。微々たるジェネレーションギャップはあれど彼女の青春時代でもあることは作品が生きた1つの理由だと思う。

そして多分、地元のサーフィンショップのオーナーは大筋で利益をあまり配給せず子供を利用した面が書かれているのだと思うが、演じたコメディアン兼俳優のオーナー役がどこか憎めなくていい味を出している。実際子供達を遊ばせているシーンもあり、大人気なく縄張り意識が強かったり、口調がゆっくり。そして最後は不器用で寂しそう。ラストの終わり方もとてもよかった。

少し気になったのは全体的な雰囲気に対して、冒頭だけ"創ってます!!"って感じの画だったこと、綺麗は綺麗なんだけど、とってつけたような美術な違和感だった。あとはステイシー自身が、映画化される前に80分台のドキュメンタリーを制作して遺していること。こちらは未見だが、これを踏まえて見てみたいとも思うし、監督最新作の赤ずきんを通してもう一度この作品を加味してみたいと思う。

意外にもステイシーは脚本を書くのには苦労したそう。監督が沢山取材してエピソードを盛り込んだりフィクションになるけど着想を織り込んでいる箇所がZboys側の解説(というより懐述?)で明らかになる。少年らしい映画だけれど、監督が撮ったことによってドラマや母性的なものを沸き立たせているとも感じました。沢山特典をつめこむところは女子っぽいですね。笑 そして中には何十年も会っていないそれぞれの暮らしをしていた彼等をカメオ出演させたりして再開させたこと。確執も大なり小なりあったのも時が経てば解かれていくとはいえ、ドッグタウンの男達だけではなかなか実現しなかっただろう。パワープッシュに賛辞。
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