中々独特な構成のHEIST物だった。足を洗った男が昔の仲間から仕事に誘われるというありきたりな内容をだが、この昔の仲間がこの映画の半分以上を占めるというのが独特だと思った点だ。
この男をベン・キングスレーが演じる。登場前まではとてつもなく恐ろしい男という風に描かれるが、蓋を開けてみるとただただ自己愛が肥大化した面倒な人間だということがわかる。この人物造形は非常にリアルで大小関係なく、こんな人いるよなーと思わせる彼の演技と脚本がよかった。
構成も非常に良く出来ている。一見、独特なカット割りだらけだが、時系列が混乱しないように配慮が施されており、このようなアート系の映画にありがちな「何が何だか」と感じることがなかった。つまり、独特ではあるがしっかり伝えたいことを直接伝えるような演出をしている点がアートと犯罪物を両立させている秘訣だと思う。
冒頭のシークエンスは個人的に憧れのシチュエーションなので見ていて少し憧れた。強盗を決行するシーンもかなり独特な方法だったのもよかった。このような名作HEIST映画の条件として印象に残る手口というのは必須なので、この点をしっかりと抑えているところも高評価である。
ようやく名作と名高いSexy Beastを見ることができた。衣装も結構お洒落なので、今度イアン・マクシェーンみたいな服装を着てみようかな。
