櫻イミト

フィメール・トラブルの櫻イミトのレビュー・感想・評価

フィメール・トラブル(1974年製作の映画)
3.5
ジョン・ウォーターズ監督がアングラ時代のマイベストと語る一本。「ピンク・フラミンゴ」(1972)の次の作品。主演ディヴァイン。監督・脚本・撮影・編集ジョン・ウォーターズ。

1960年、不真面目な女子高生ドーン(ディヴァイン)は、クリスマスにチャチャヒールの靴を買ってもらえず両親を殴り倒して家出する。ヒッチハイクで掴まっ中年男(ディヴァイン2役)に強姦されやがて出産。転落の人生が始まる。。。

「嫌われ松子の一生」(2006)を下品に凶悪にしたようなブラック・コメディ。ディヴァインをはじめ登場人物たちのきらびやかでビザールな衣装が見所。「ピンク・フラミンゴ」ほど最低ではなく、シナリオは意外にまとまっている。

次作「デスペレート・リビング」(1976)の世界観にはパンクロックからの影響があると思ったが、実はその逆でジョン・ウォーターズがパンクに影響を与えたのだと本作を観て分かった。「ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル」(1980)でシド・ヴィシャスがステージから客にピストル乱射するシーンの元ネタは本作だった。
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