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幸福(しあわせ)の1303のレビュー・感想・評価

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)
3.8
純粋無垢で利己的な発想と短絡的で破綻した理屈に胸が抉れられるような思いですが、彼が口にする愛情や幸福には本当に嘘や矛盾はなくただそこに存在するだけであるという事が最大の悲劇と言えます。
劇中、意図的な演出かは不明ですが後の展開を仄めかすように画面内で蠅(羽虫?)が纏わり付く場面があり全体を通して薄らとしかし確実に漂う死の匂いに由来する緊張感が印象的でした。
テーマとは裏腹に鮮やかな色彩設計や美麗なレイアウトに痺れながらあっという間の80分です。
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