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幸福(しあわせ)のUのレビュー・感想・評価

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)
4.5
女性ならではの感性や視点で映画を撮るアニエス・ヴァルダ。『5時から7時までのクレオ』を観たときもその独特な撮り方や世界観に驚かされたが、今回も衝撃的だった。

観終わったあとの、何とも言えない気持ち。
あんなに自然と妻がほかの女に置き換えられ、また幸せそうな家族が出来上がっていく様子に恐怖を感じた。

流れるクラシック音楽や『シェルブールの雨傘』でも撮影を担当したマグ・ボダールの色使いが本当に美しい。
これらの美しさが残酷さをより一層引き立たせている気がした。それ故にこの映画の衝撃は人々の中で忘れられないものとなるのではないか。

自分が「幸せだから」って理由で全てが許されるのか。
人間はいくら幸せを感じていても、満足することはないのだろうか。
いろいろと考えさせられた。
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