イチロヲ

ルパン三世 ルパンVS複製人間のイチロヲのレビュー・感想・評価

5.0
峰不二子から賢者の石の窃盗を依頼されたルパン一味が、不老不死を研究している怪人マモーの標的にされてしまう。モンキー・パンチ原作のアニメ「ルパン三世」の劇場用長編第1弾。「ルパンVS複製人間」は、ビデオソフト用に後付けされた副題。

脚本家の大和屋竺(やまとや・あつし)は、60年代ピンク映画、70年代日活ロマンポルノ、鈴木清順監督作品を手掛けてきた人物。荒唐無稽なシナリオ、豊富なレトリック、当然のことのように挟み込まれるエロスは、大体この作家の性癖といえる。

本編内では、不死への飽くなき渇望を根幹にして、アダルト路線のスラップスティックが展開。ヘリコプター、大型トラックを相手にしたチェイスから始まり、峰不二子のオッパイ・サービス、マモー施設での探索劇、クローンをめぐる紆余曲折へと繋げていく。

物語の進行に合わせて、気宇壮大になっていく感覚が、とにかく楽しい。絶体絶命としか思えないシチュエーションに陥っても、ルパンはニヒルに笑いながら、ギリギリの線で窮地を脱していく。そこに人間的魅力が集約されている。
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