トトCINEMAライフ

座頭市二段斬りのトトCINEMAライフのレビュー・感想・評価

座頭市二段斬り(1965年製作の映画)
3.5
映画 座頭市シリーズ10作目、1965年の作品まだ私は生まれていない

名優 加藤武や、三木のり平が物語をややコミカルに、人情味を感させる…

あの大物演歌歌手となり、最近じゃ紅白歌合戦での事から"ラスボス"とまで呼ばれるようになった小林幸子が実に初々しい子役で出ている

劇中でも歌っているので、子役からその歌声や歌唱力が認められ演歌歌手の道に進んだのか?

どちらにせよ、女の子の新鮮な演技には心が洗われる

Twitterなどでも不思議だ?と公言してるのは、もちろん勝新太郎の若き日から重ねた映画版座頭市は大好きなのだが、更に勝新イズムとも言える"諦観"が如実に表現されてるテレビドラマシリーズの方が好きだ…勝新が歳を重ねた風貌も良いが、とにかく予定調和でない物語、それに応えようと必死に食らいつくベテラン・売れっ子・新人俳優たち、脚本は勝新の頭の中にあって無いようなもんだから設定だけ決めたら後は、即興の掛け合いだったらしく役者もスタッフもそれはそれは苦労し、やがてソレが勝プロを傾けていく主因となる

しかし、見直せば見直す程に勝新太郎のライフワークというか、映画版以上に制約が無い中で自身が満足いくように撮っている・・・そして、初見の方には多分やや難解だが芸術性の高さを感じる

良く、こんな素晴らしい時代劇を残してくれたと感謝、感謝です。