ジミーT

無宿 やどなしのジミーTのレビュー・感想・評価

無宿 やどなし(1974年製作の映画)
5.0
アラン・ドロン、リノ・バンチュラ、ジョアンナ・シムカスがここでは高倉健、勝新太郎、梶芽衣子。凄い顔ぶれですね。この3人揃えただけでもスコア5.0です。濃い顔ぶれのわりには淡彩なロードムービーと宝探し映画になっていて、災害級の猛暑じゃない真夏のイメージなのがとてもいい。

要は「冒険者たち」なのですが、「男2人と女1人で一攫千金の旅、ドロドロの三角関係にはならない淡いトライアングル・ラブ」というのはよほど映画製作者にとって魅力的なパターンなのか、日本映画でも「新宿アウトロー ぶっ飛ばせ」「黄金のパートナー」「冒険者カミカゼ」などが思いつきます。洋画では有名なところで「明日に向って撃て!」がありますよね。探せば他にもまだまだあるかも知れません。

これはもう「冒険者たち」へのリスペクトとかオマージュではなく、インスパイアでもなければパクリでもなく、「冒険者たち映画」というひとつのジャンルなんでしょう。まあ、現実だったらドロドロと悶々の愛憎と欲望になるところでしょうけれど、それが映画的ファンタジーに昇華された結果が「冒険者たち映画」というジャンルなんだと勝手に思っています。私も好きです。これからもこのジャンルの傑作が登場することを期待しています。

ただ、上に挙げた映画の中でひとつ違和感を覚える映画があって、それが「明日に向って撃て!」。確かに男2人に女1人の組み合わせも冒険行も、「冒険者たち」に似てはいるのですが、本当に「冒険者たち」に影響受けてたのかな。
まあ、気になったので調べてみら・・・。
そもそも「冒険者たち」と「明日に向って撃て!」の人物構成には共通の元ネタがあったようで、フランソワ・トリュフォ監督の「突然炎のごとく」らしいです。
あーっ!油断した!今さら観てないとは言えない名作群の一本がこんなところに出てくるとは!すみませーん!観てません・・・。

でもこの「無宿 やどなし」「黄金のパートナー」「冒険者カミカゼ」が影響受けたのは明らかに「冒険者たち」ですヨ。「さらば映画の友よ インディアンサマー」もそうかな。

追伸
1975年頃、フォーク・デュオ「あのねのね」の清水国明・原田伸郎が主演した、その名も「冒険者たち」という、やはり宝探し映画があって未見なのですが・・やはり皆さんお好きなんですねえ。
でも面白そうなんですよ、これ。
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