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新学期・操行ゼロの10000lyfhのレビュー・感想・評価

新学期・操行ゼロ(1933年製作の映画)
4.0
寄宿学校での 4人の少年たちの叛乱。監督のむき出しの回顧的心情がストーリー化された、恐るべきパワーに満ちた中編。先行の習作的 2短編に引き続き、本作でもシンプルなアニメーション(若手教師が風刺的に描いた舎監のイラストが動く)やディゾルヴ(憑依された?生徒とドミトリー内のドリーショットとの)など、撮影やポスプロ技術面での模索があるが、もはやそれらはディテール。チャップリン好きというキャラ設定なのかオマージュ演出なのか判然としない若手教師のチャップリン歩き、キリストの処刑を模した教師のベッド磔、仮面や人形や曲芸師の登場する謎の式典、キッズの叛乱を喜んでるようにも見えるラストシーンの教師陣など、満載のグダグダ演出が圧倒的なエネルギーに昇華された奇跡。女性的な少年をめぐる恋や、教師からのセクハラ描写についても先駆的。時代が下った今、トリュフォーとリンゼイアンダーソンの後継作品が、透けたレイヤとなって、彼らからの愛に満ち溢れながら、スクリーン上に重なって見える
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