一人旅

W/ダブルの一人旅のレビュー・感想・評価

W/ダブル(1987年製作の映画)
4.0
ジョセフ・ルーベン監督作。

義父が殺人鬼であることを知った少女を襲う恐怖を描いたスリラー。

『愛がこわれるとき』(90)や『危険な遊び』(93)などサイコ物を得意とするジョセフ・ルーベン監督によるサイコスリラーの佳作で、2009年には本作のリメイクである『ステップファーザー 殺人鬼の棲む家』が制作されています。

未亡人の母親と再婚した不動産業の男が家族を皆殺しにした過去を持つ猟奇的殺人鬼であることを知った女子高生のヒロインを待ち受ける恐怖を描いた家庭内サイコスリラーで、“気に喰わないことがあると家族を皆殺し→別の家族に入り込んで良き家庭人を再び演じる”―という寄生虫のようなサイコパス野郎に目をつけられてしまったヒロイン&母親の恐怖と絶望を、殺人鬼に姉を殺された男性の執念の捜査劇を絡めつつ描いています。

義父が殺人鬼であることが冒頭において明白に示されるので、“この男は本当に殺人鬼なのか”―という予想を楽しむことはできませんが、家族の前で見せる善良な表の顔と一人の時に露わになる狂気に満ちた裏の顔を使い分けた男の行動が不気味に演出されていますし、男の狂気&凶行レベルが一気にエスカレートする後半の展開がスリリングとなっています。

蛇足1)
現時点で日本では未DVD化の作品ですが、中古VHSならネットで¥1(+送料)で入手できます。
蛇足2)
犬も“家族”だから殺しの対象なのか…。
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