寝るのだいじ

インサイダーの寝るのだいじのネタバレレビュー・内容・結末

インサイダー(1999年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

タバコの有害性を、隠し通すことへ疑念があったメーカー研究員と、告発を国民に知らしめたい番組ディレクターの話。実話。

研究員の告発の信憑性が、離婚した奥さんへの養育費未払いなどの過去の不始末で揺らいでしまうのが、メディアの脆弱性を物語っていた。

あんなに依存性や中毒性の高いのだから、そりゃメーカーからすると有害だと顧客に知られたくないよなぁと理解はする。
きっとニコチンの有害さは他のメーカーや製薬会社など化学者なら誰しも分かっていたと思うが、賛同してしまうとタバコ産業という大きな力に潰されるので、賛同したくてもできなかったのだろうなとも想像した。

真実に迫り報道したい骨太な番組ディレクターは、番組スポンサーがその対象(本作ではタバコ企業)だった場合、放送できなくなるし、スポンサーなど出資してくれる相手や放送元であるテレビ局などの損失も考えないといけない。どこで誰が何だったら公表できるのか、全ての条件選びが難しいなと考えさせられた。

こんなに戦ってタバコの有害性を訴えてくれたお陰で、現在はタバコは有害な嗜好品とされいる。こういった戦いがあった上でも、パッケージに有害と記載されていても喫煙する人の気持ちがわからない…
研究員もディレクターも「吸うな」と言いたい訳ではなく、「隠蔽しながら商売していることはおかしい」と知らしめたいのはわかる。そう考えると、有害とわかっていて金を払って吸う人たちはすごいなと思った。