路々

フォレスト・ガンプ/一期一会の路々のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

2024.05.06 21

名作をGWに見る。

一番印象に残ったのは、自分に子どもがいると知って「Is he smart or is he…(頭はどうなの?)」と尋ねる場面。

フォレスト・ガンプ自身が、知能指数が「普通」よりも低いと気づいており、かつそのことが子どもには遺伝していないでくれと祈っていることが、うかがわれる。
「バカ(stupid)」と言われるたびに、母から譲り受けた”Stupid is as stupid as“という言葉を「強気に」返していたフォレスト・ガンプが初めて見せる「知的障害」へのネガティブな評価にドキッとさせられる。

あのシーンで、彼が「よくわからないまま」「深い意味もなく」やっていたことに、外側から意味を与えられる、という映画に通底する構図が少し揺らぐ。
彼だって考えていることがあり、自分は「普通じゃない」ことにも気づいており、でもそれでも愚直に生きてきたことに気付かされる。



「何も理解していない」フォレスト・ガンプの目線を使って、距離をとりながら社会や政治を描いているのも面白いと思った。そこにどうしても、彼は巻き込まれてしまうのだが。
大統領の暗殺は、常に「テレビの中」の出来事なのである。

黒人差別や幼児虐待、マリファナ・覚醒剤の使用、戦争、、、


国のような大きなものではなくて、想い人であるジェニー、親友のババ、上司のダン、母などの個人的な繋がりのある身近な人々を大切にすることで、人生が豊かになり巡り巡って平和にもつながる、みたいな雰囲気を感じなくもないが、全面には出ていない。絶妙。

走っているシーンの画面が良すぎた。
バス待ちの間に、コロコロと変わる聞き手に対して思い出話をするという構成もオシャレだよなぁ。
路々

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