KojiYamanaka

フォレスト・ガンプ/一期一会のKojiYamanakaのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみるまで中身はわからない。」

母のそんな言葉の意味を深く理解してか、あるいはあまり理解せず(たぶん後者なのでは)主人公フォレスト・ガンプは過去にとらわれず、先のことも考えず、いまこの瞬間を全力で生きる。

そんな、チョコレートボックス型人生と明確なコントラストをなすのが、ヒロインのジェニーとダン中尉の人生。2人は、過去のある出来事によって運命づけられた人生を生きており、絶望している。運命論的人生とでも言っておこう。

このチョコレートボックス型人生と、運命論的人生が交錯しながら物語がすすんでゆく。

キャリア論のなかで、計画された偶然性理論というものがある。すごくざっくりいってしまうと、人生なにが起こるかわからないのだから、がっちり計画を立てるのではなく偶然も活かしながら生きていきましょうよと。この映画は、そんな偶然を活かした人生のお手本みたいな作品だ。

ところで、チョコレートボックスにはあけてみないとわからないという特徴のほかに、だれかにあげることができるという特徴もある。人生はチョコレートボックスというメタファーには、幸福をだれかにおすそわけするという意味合いもふくまれてるのかもしれない。ガンプはジェニーやダン中尉や、多くの人に、チョコをあげたのだ。

特に印象に残ったのは、ガンプがわけもなく全米を走る場面。わけもなくってのがとてもいい。いや、走る理由は走りたいからということだけであって、ほかになにもないのだけれど、まわりはそれが理解できない。理解できないからこそなにか崇高なものをそこに見出すのだけど、ガンプはそんなひとびとをあっさりうらぎるのが痛快。
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