アキラナウェイ

フォレスト・ガンプ/一期一会のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

4.3
ふと、いつも真っ直ぐだった彼に会いたくなって。何だか旧友に会いに行く様に、フォレスト・ガンプを再鑑賞。

デロリアンを走らせて時間を超えたロバート・ゼメキスは、フォレストを走らせる事でアメリカの激動の時代を駆け抜けさせた。

IQは人より足りなくても、愚直で、優しいフォレスト・ガンプ(トム・ハンクス)。バス停でバスを待っている間に彼が語り出す半生。

背骨が湾曲しており、脚に矯正具を嵌めていた少年は、いじめっ子から走って逃げる内に矯正具が外れ、驚くべき脚力で風の様に走り抜ける。

Run,Forrest,run!

エルヴィス・プレスリーやジョン・レノン…時代を彩るアーティストとも、ケネディやジョンソン、ニクソン…アメリカ歴代大統領とも交差していく人生。

アメフト選手時代も、ベトナム戦争の真っ只中も、卓球選手時代も、会社設立に至る時も、いつも真っ直ぐ。背筋も真っ直ぐ、視線も真っ直ぐ、走るのも真っ直ぐ。

改めてフォレストの人生に励まされる。

それでも悲しい事に、フォレストと出会った著名人は弾丸に倒れ、ベトナム戦争の上官は両脚を失ってしまう。

アメリカの歴史は銃の歴史なのだと気付かされる。

生涯のガールフレンド、ジェニーは何度もフォレストの目の前から姿を消してしまう。フォレストはいつだって真っ直ぐ彼女を想っているのに。

良い事ばかりじゃない。

だから、「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない」という台詞が胸に沁みる。

素晴らしい脚本とアラン・シルベストリによる音楽、トム・ハンクスの抜群の演技力で、この映画もまた、チョコレートの箱の様にいつ開けても新しい発見がある。

それにしてもトム・ハンクスのイノセント感が尋常じゃない!大人になっても純真な子ども心を持っている様な、この空気感を醸し出せるのは彼とロビン・ウィリアムズぐらいかな。

今回の発見は、フォレストJr.役で出ていたハーレイ・ジョエル・オスメント。デビュー作とあって、彼がフォレスト・ガンプに出ていたとは知らなかったなぁ〜!