百合ちゃん

フォレスト・ガンプ/一期一会の百合ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ずっと観たいと思ってたけど先延ばしにしてて、さっきたまたま再生したこの映画、今の自分にハマったのかとても泣いてしまった。高校の頃の自分、ちょっと前のすごく未熟な自分だったら、こんなもんかって思ったのかもしれないな。

いろいろ思ったことがあった。

難しいことばかり溢れてるこの世界で、難しいことを考えるのが良しとされるこの世界で、彼はなにも考えていない。難しいことなんて1つも考えていない。それがこんなにも胸を打つなんて。こんなにも美しいなんて。

小並感あるように聞こえるけど、いや実際そうなんだけど、美しいものって、やっぱり自然のものなんだと思う。『雨が止んだあとの星空、日が沈むときの海』夜景はたしかに綺麗かもしれない。でも、そんなものよりも、地球、私たちの母なる土地、偉大なる自然の方が何億倍も美しいし(少なくともわたしにはね)何かを思い出すときはいつだって自然なんだよなあ。少なくとも、わたしはその壮大な美しさの片鱗を知っていて、それだけで本当にラッキーだと思う。故郷の山とか、蛍を撮りにいった夜の田んぼとか、いとこと鬼ごっこした夕方とか、家族と外で寝っ転がってみた広い広い星空、隣で星について教えてくれるばあちゃん。ずっとずっと、大切にしたい。そんなことを思った。

「一緒に見たかったな」のあとの、「一緒だったよ」のフォレストガンプのセリフが、真っ直ぐで、真っ直ぐすぎて、もう目の前がぐじゃぐじゃになってた。ジェニーはいつも必ず心の中にいたから。綺麗なものをみたとき、感動したとき、ずっと一緒だったのね。うわあわあ〜涙

ジェニーも、フォレストガンプから切り離してみたら、時代に流されている都会の端っこの女でしかないんだよな。ヒッピーになり、男運が悪く、ドラッグにはまり、自殺しようとしてできない。どこにでもいる、女たち。

ジェニーも、中尉も、時代に流されて、時代に身を打たれ、心がボロボロになって、死にたいとまで本気で思う。フォレストガンプも時代に流されてきたのよ。でも、フォレストガンプだけは他の人とはちがう。彼は、ただ「風に吹かれているだけ」なんだよなあ。彼は、「風に吹かれているだけ」なんだけど、他の人とは違って、真意、真実をいつも持ってた。それは、愛する人を大切にしたいっていう気持ちなんだと思う。ジェニーや、ババや、ママや、中尉。いつもその人たちを何よりも大切にしていて、それがどうしようもなく真っ直ぐだった。彼は時代という「風に吹かれているだけ」だったけど、その愛が揺るぎないものだったから、他の人たちみたいにボロボロにならなかった。嵐の中、彼と中尉の船だけがボロボロにならなかったのも、それを表しているんじゃないかな。

中尉の、「命を救ってくれてありがとう」のところも、わたしは彼の苦しみをわかるなんていえないけど、でも、そう思えるときが来るならば、風に吹かれて、フォレストガンプという愛と一緒に運命という風に吹かれてみたならば、人生捨てたもんじゃないのかもしれない。

うう書きたいこと、思ったことたくさんあった。すごくいい作品だった。ずっと、死ぬまで、抱きしめたい作品。