Kamiyo

恋におちてのKamiyoのレビュー・感想・評価

恋におちて(1984年製作の映画)
4.0
1984年 ”恋におちて”(Falling in Love)
監督 ウール・グロスバード
脚本 マイケル・クリストファー

僕はメリル・ストリープと同じ年だ。この映画が作られた1984年。僕たちは35歳だった。今と違って、この時代の30代の8割近くは結婚していて、子どもを二人位持ち、職場では中堅だった。安定しているが変化のない日常。そんな時、どんな縁か、心ときめく異性と出会い、久しぶりの「愛」のようなものに夢中になるが、何事も起こらないまま遠ざかってしまう。そんな経験をした同世代は多いことだろう。

「逢いたい」「ひと目逢いたい」「ひと目君に逢いたい」
と、受話器の向うでデニーロが言う。
「朝目覚めてから、夜眠りにおちるまで考えているのはあの人のこと」と、揺れ動く心の内をストリープが言う。

「運命の赤い糸で結ばれた2人」と日本では古くからの言い伝えにあります。。。。「ツインレイ=運命の人」
つまり「自分の魂の片割れ」が必ずいて、その人に巡り会う旅が人生なのだと。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
ここからはある人の感想です。。凄く良かったら

妻子のある、まっすぐな男と旦那様のいるピュアな女。
同じ空間に存在する2人は互いに平行線。
今までも息のかかるほどに接近していた事があったかもしれない。
例えば、デパートの満員エレベーターに背中合わせだったり、通勤電車で隣にすわったりとかね。
そんな決して交わることのないはずだった平行線が一度だけ重なり合うのです。
クリスマス・プレゼントを買い求める雑踏の中
導かれるままの男と女。
それは、イヴに少しだけとぼけた、サンタの気まぐれのように。。。。。。。。。恋におちて。
名優の演じるシーンは偽りであっても、いたたまれないほどに心をかき乱していく。
覚悟をしていても一線は越えられない
めくるめく頭と身体。
そんなストリープの女優を超越した仕草、息づかいに出るのはため息ばかり。
名優デニーロでさえメロメロにされてゆく・・・・・。

ステーションでの公衆電話のやり取りがいい。
イヴの日、本屋での運命的な出逢いがいい。
知らず知らず意識しあう気持ちの高ぶりがいい。
偶然の出逢いをと、無理する姿がいい。

いけないんだ・・・・・だめなんだ・・・・・
それは、お互いに大人なんだからと自分に言い聞かせながら。抑えれば、抑えるほど、私は燃える。
僕のこみ上げるこの感情を。
あなたはインスピレーションで恋におちることが信じられますか?
それは年齢なんて関係ない、誰でも、何時でも何処でも恋におちるチャンスはあるんじゃないかな。
だってそれが男と女なんだから。
たとえそれが、幸せな家庭を壊すことになろうとも・・・・・。
決して許されぬ大人の秘めた関係を、
経験したことのない・・・・・あなたに・・・・
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

作品の冒頭から、主演二人はニアミスを繰り返すも、
なかなか“出会い”ません。
モリー(メリル・・ストリープ)とフランク(ロバート・デニーロ)は、

監督が観客を焦らせて遊んでいる様にみえますが、
これは大変重要な伏線を敷く為にじっと待っているのです。二人がクリスマスプレゼントを沢山抱えた状況になるまで。。“出会い”のきっかけ作りなのは勿論、
重要な伏線でもあります。

クリスマス・イヴの夕方、リゾーリ書店で荷物を落として、ふたりは本を取り違えてしまいます。
そして3ヶ月後。
通勤列車の中でフランクはモリーを偶然見かける。
挨拶を交わす2人。
2人の心にお互いが深く刻まれる。
互いに幸福な家庭を持つふたり。
しかし引きつけ合う引力は強くて、片時も相手を思わずにはいられない。
不倫というより節度ある《純愛》です。
電話をしあい、時間を作ってデートをするふたり。
いつか、フランクは妻に、モリーは夫に気付かれてしまいます。
そしてフランクは昇進の誘いを受けてヒューストンに移転することに。必死の電話をかけるフランク。
「一目、逢いたい!」
しかし運命は2人に試練を与えて・・・
切なかったです、心が引き裂かれるようでした。

「運命の2人」が一周遅れで出会ったようで・・・
前年のイヴの日に、クリスマスプレゼントをいっぱい持っている時に初めて“出会った”二人。
1年後のイヴの日に、同じリゾーリ書店で再会した二人。
お互い家族と上手くいってると嘘をつく。
(本当は崩壊している)
同じ過ちを犯して相手の家族の平和を乱すのを恐れて。。。
雑踏の中、地味な色の服装の通行人たちが持つカラフルなクリスマスプレゼントが目立ちます。
デ・ニーロは気付きます、二人ともプレゼントを持っていなかった事を彼女の嘘をそして嘘をついた理由も。
まだ愛していることも。。。。。自分と同じだから。
ただ単に諦めきれずに彼女を追いかけたのなら普通のメロドラマ。重要な伏線は、お互いの嘘を、まだ愛している気持ちを、クリスマスプレゼントで気付かせる演出に張られていたのだ。
ラスト、かつての2人にとって大事なデートの場所だった列車の中。乗客をかき分け近づいてくるデ・ニーロと、それに気づいたメリル・ストリープの表情‼️全てを悟った2人は熱い抱擁を交わす‼️お幸せに‼️

二人のダブル不倫はハッピーエンドに終わる。このあたりも気に入らない人が多い原因になるのかも。やはり『マディソン郡の橋』のラストの方が日本人好みなのだろう。
でも、いいものはいい。

配偶者の立場になって考えると
とにもかく夫も妻も、かわいそうたけど
普通に家庭崩壊してますけど……「そりゃないぜセニョリータ!」とも思うんだけど、
まあ、映画の話だからね。。。。。いいか

メリル・ストリープ35歳
メリル・ストリープは、まだ若く美しいながらも体のラインは崩れかけており服でそのラインを隠しています
容貌も20代の張りのあるものではなく最後のバランスを保っている、その微妙なところを上手く表現しています
本当に素晴らしい女優であると感嘆するばかりです
イーストウッド監督が「マディソン郡の橋」を撮るに当たって彼女しかいないと決めていたのは当然と思います
W不倫ものと言えば、確かにみもふたもありません…

デイヴ・グルーシンのフュージョンの「マウンテン・ダンス」音楽が切なさを醸し出し、映像がグッとしまる。

日本では84年ドラマ「金曜日の妻たちⅢ恋におちて」がブームになり、劇中で映像も挿入され通勤電車のシーン
小林明子の歌うテーマ曲「恋におちて Fall in love 」が大ヒットしました。
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