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グロリアのHKのレビュー・感想・評価

グロリア(1999年製作の映画)
2.3
酷評は目に見えていた、けれど、これを嫌いになれないのは、いつかは誰かが作っただろうこの企画に、カサヴェテス同様ニューヨーク派のルメットがあえて挑んだ気概が感じられるから。実は巧妙にオリジナルからテーマをすり替えている。オリジナルは、時代から鑑みれば『クレイマー、クレイマー』(79)の亜流であり、だから朝食がうまく作れないのだが、これはそこもないし、母親から子どもを預けられないということで、たんなる熟女とガキのバディものとして鑑賞すべきなのではないか?と思うのだ。ニューヨークを捉えるアングルはさすがルメットだし、ストーンは彼女なりにオリジナルに敬意を払った演技で、まあいいんじゃない?目くじら立てなくても。ただ、逃走映画なのに闇が少なく、なんだか明るいのはどうかと思うが。
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