mitakosama

新選組のmitakosamaのレビュー・感想・評価

新選組(1958年製作の映画)
3.8
東映YouTubeにて。やべぇ!滅茶苦茶面白ぇ!
知恵蔵が近藤勇を演じるのは54年「新選組鬼隊長」と同じだが、今作ではなんと鞍馬天狗や月形半平太というフィクションのキャラクターもが脇役として登場する!…斬新!

知恵蔵が近藤。益々何を言ってるか判らない。
そして土方が山形勲。これが実に良い。猛々しく粗暴で梟雄としてのキャラクターを活き活きと演じてる。キレ者になり過ぎず、程ほどに田舎侍な感じを残してて凄いリアル。

そして月形龍之介が関兵庫なる新撰組幹部を演じる。最初は芹沢鴨か伊東甲子太郎か新見錦かな?と思ったら、どうも今作の創作キャラらしい。部下に強請りたかりをせさていた男で、実は長州の間者。

そんな中、長州藩士の月形半平太(大友)は鞍馬天狗(千代之介)と維新の為に協力し合う。半平太は「春雨じゃ、濡れて行こう」の名台詞も披露。

新撰組と討幕派が緊張状態の中、土方の強行に対して鞍馬天狗が白馬に乗って登場。同行する子供は角兵衛獅子の杉作だ。杉作は一旦は土方に捕まるが、鞍馬天狗が奪還。近藤はあえて見逃す。

基本的に近藤は思慮深い温厚派として描かれる。
だが、組を脱退した関らが長州の過激派と共に祇園祭の京都の焼き討ちを狙う。
京都のピンチを救おうと新選組に協力するのが会津の染五郎(里見)。会津小鉄と言われる実在する侠客だ。かなりの剛者だったようだが、今作では人の良い熱血漢として描かれる。

そこでクライマックスは池田屋騒動だ。ついに近藤の怒りが爆発。
月様と鞍馬天狗は後手に回る。
この後大政奉還から鳥羽伏見に向かうところまでが描かれる。
新撰組の一番良いところを描いて、敵役となる長州をにフィクションキャラを織り交ぜるという奇策がエンタメ効果を発揮してる。

中盤の脱退する関に対し、土方が剣舞を、近藤が詩を唄うシーンが絶品!
mitakosama

mitakosama