砂場

リラの門の砂場のレビュー・感想・評価

リラの門(1957年製作の映画)
4.3
4Kリマスター鑑賞。登場人物は人のいい下町のおっさんジュジュ役をピエール・ブラッスール、ギター弾きの芸術家役をジョルジュ・ブラッサンス、酒場の娘マリアをダニー・カレルが演じる。
ピエール・ブラッスールは戦後フランスの文化人サロン的な中にいた名優で、サルトル、ボリス・ヴィアン、ジュリエット・グレコらと遊んでいたとのこと。「天井桟敷の人々」では色男役だったのであるが「リラの門」では別人のように太ったおっさんであった。
ジョルジュ・ブラッサンスは元々有名なシャンソン歌手で、本作では渋い歌声を聴かせてくれる。また音楽監督もやっているようだ。

ジュジュと芸術家は飲んだくれの貧乏暮らし。ある日芸術家の家に逃走中の殺人犯が忍び込む。あれこれあって3人は仲良くなり匿われた殺人犯を中心に起こる騒動を描いたいドタバタ人情喜劇。無駄のなくテンポのいいリズムで話が進むので気持ちいい。ひらひらと画面の中を走り回るマリアが本当に可憐!

まあ人のいい男より、危険な香りのする男の方がモテるんだよなあ結局、、、「ブレックファスト・クラブ」もそうだしな。
ジュジュは殺人犯にもらったスカーフを友情の証として気に入ってずっと着けてたのに最後の場面では外していて、以前つけていたボロ切れのようなスカーフに。悲しいなあ〜

ある映画に笑いの要素とシリアスな要素が共存することは別に珍しくなのだが、この頃の映画はその配分が今の感覚とは異なりえっ!こう来るのか、、と驚かされる。急激な展開のラストは想像できなかった、、、
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