エイデン

スパイダーマン2のエイデンのネタバレレビュー・内容・結末

スパイダーマン2(2004年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

“グリーン・ゴブリン”との戦いから2年後
“スパイダーマン”としてニューヨークを守るピーター・パーカーは、コロンビア大学で物理学を専攻する学生となっていたが、ヒーロー活動の忙しさで私生活は杜撰になってしまっていた
そんなある日、メイおばさんがサプライズでささやかなピーターの誕生日パーティーを開き、思いを寄せる幼馴染のメリー・ジェーン(MJ)・ワトソン、親友のハリー・オズボーンと再会する
MJは長年の夢だった女優の道へ踏み出し、ハリーは亡き父ノーマンが残した会社“オズコープ”を取り仕切っていた
しかしハリーは、父ノーマンがグリーン・ゴブリンだったことを知らず、未だスパイダーマンに殺されたと思い込んだまま
表向きには新聞社“デイリー・ビューグル”でスパイダーマン専属のカメラマンというアルバイトをしていたピーターに対し、ハリーはやや確執めいたものを感じている様子だったが、レポートの題材にしようと考えていた核融合の専門家オットー・オクタビアス博士を紹介することを約束してくれる
しかし良い話ばかりでなく、ピーターはメイおばさんが住む家のローンが滞っていることを知る
またMJとは明日 初めて出る舞台を観に行くことを約束するが、新しい恋人ジョン・ジェイムソンがいることも明かされるのだった
後日 ピーターはハリーの紹介でオクタビアス博士とその妻ロージーと出会う
彼はオズコープの支援で、凄まじいエネルギーを生み出すことを可能とする新型の核融合装置を開発しており、明日その発表を行う予定だった
オクタビアスに気に入られたピーターは恋のアドバイスまで貰い、帰宅後 改めてMJに思いを告げるつもりで準備を始める
ところが向かっている途中で警察のカーチェイスに巻き込まれたピーターは、仕方なくスパイダーマンとしてそれを止めることに
結局 舞台の開演には間に合わず、終了後に恋人と寄り添うMJの姿を見送ることしかできなかった
また直後も警察の出動を察知したピーターは、スパイダーマンとして後を追いかけるが、その途中 唐突に手首から糸が出なくなってしまう
私生活とヒーロー活動の両立に悩むピーターは、翌日 オクタビアス博士による核融合装置の公開実験を見学するが、そこで思わぬ事故が発生
自ら開発した人工アームと融合してしまったオクタビアス博士は、アームの人工知能によって理性を無くし、街を脅かす新たな敵“ドクター・オクトパス”と化してしまう



サム・ライミ監督の『スパイダーマン』シリーズ2作目

学生とヒーローの二重生活を送るピーターの前に立ちはだかる様々な苦難を描く
新たな敵に、亀裂の入った友情と恋
ピーターが普通に生きるか、ヒーローとして生きるかという究極の問いに直面していく物語になっており、オリジンを描いた前作から一歩進んだ良質な続編作になってる

その迷いを象徴するようにクモの糸も出なくなってしまい追い詰められていくピーター
ヒーローとしてのクールな活躍に反して、とことん人間味のあるキャラクター像がかなり愛せる
とはいえヒーローとしての重責は半端じゃなく、私生活のトラブルも普通に厳しめ
前作でも描かれたスーパーパワーという呪いは、膝を折るのに十分すぎるほど

そして立ちはだかるドクター・オクトパスも、原作ではグリーン・ゴブリンに並ぶスパイダーマンの強大な宿敵の1人
引き続き現代でも通用するリデザインがなされており、敵ながらスマートでめちゃめちゃカッコいい
人工知能の声によって道を踏み外していく様子も、ヒーローとしての道を断念しようとするピーターにも重なり、ストーリー的にも良い味を出してくれる

ヒーローという困難な道を歩み続ける苦悩を真摯に描きながらも、ヒーローによって救われ感化される人々も同時に描き、ヒーローの在り方を問うストーリー構成は見事
大いなる力の責任と、その行動がもたらす平和を表す、メイおばさんの言葉や電車でのシーンなんかは必見
もちろんアカデミー視覚効果賞にも輝いた当時最新のVFXを取り入れたアクションシーンもスタイリッシュで楽しく、全編余すことなく楽しめる良作
観ましょう
エイデン

エイデン