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スパイダーマン2のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

スパイダーマン2(2004年製作の映画)
5.0
コロンビア大学で物理学を専攻している青年Peter Parker(Tobey Maguire)は、親愛なる隣人スパイダーマンとして日夜街の平和を守るために自警活動を続けていた。肝心の学業や私生活に支障をきたす程に多忙を極めていた彼は、次第に平凡な日常を望むようになっていく。


Grim Come out to
Grinning Socialize~♩.•
Ghosts † ‎〜𐭜 ᜊ°ཫ° )ᜊ
† ┏┛R.I.P┗┓ †

(^ΦωΦ^ o[ テイタートッツを食べてみ隊 ]o

ーWith great review comes
great friends on Filmarks.🕸🕸


◆ I'm just Peter Parker.
ーI'm Spider-Man no more.

Sam Raimi監督によるスパイダーマン・トリロジーの二作目。前作のラストシーンで、幼い頃から密かに思いを寄せていたヒロインのMary Jane Watson(Kirsten Dunst)との交際をフイにしてまでもスパイダーマンとして生きることを決意したPeterのその後を描いた作品。後悔と自責の念に囚われ、亡き伯父の墓前に覚悟を誓ったPeter。ものすごく後ろ向きなバックボーンを持ったスーパーヒーローの在り方に惹き付けられます。

大学生とスーパーヒーローを両立することは非常に難しい様子。講義には出られず落第寸前。時間を守れずにピザ屋のバイトをクビになり、アパートの家賃滞納が常態化。前作の冴えない青年に逆戻りしてしまった様です。

スパイダーマンとしての生活にも試練が。突然スーパーパワーの出力が弱まってしまいます。蜘蛛の糸が出なくなってしまったり、壁も登れないように。ガンガン高いところから落とされるスパイディはメンタルもきっとドン底・・・。市民のため必死に戦っても、スパイダーマンを叩く新聞記事まで出回るようになってしまい、打ちひしがれて「普通の生活」を望んだ彼は、遂にそのマスクを破棄してしまうのです。


◆ We found someting.
ーWe won't tell nobody.

街のコインランドリーでスパイダーマンのコスチュームを洗濯した際、ワイシャツに色移りしてしまったり。エレベーターで一般人と乗り合わせてしまったり。前作に比べて比較的コメディテイストの強いカットが多かったように思われます。それでいて人間ドラマは更に重厚。言わずもがな、Peterの挫折と内省を通して描かれる《ヒーローの復活》が格好いいのです。

今作のヴィランによって暴走してしまった電車を必死に止めるスパイダーマン。素顔を曝したPeterがたった一人で暴走列車を食い止めます。力を使い果たした彼の事をそっと抱き留め、掲げ上げ、一時の安らぎを与えたニューヨークの市民たち。次に目覚めた瞬間こそ、スパイダーマンが真に《親愛なる隣人》として蘇った様に見えます。

特殊能力を持っていたとしても、彼も一市民であることに変わりありません。その描写は、物語の序盤に巻き起こるアンラッキーな生活を通して痛いほど我々に開示されていました。一方的な自警活動ではなく、老若男女そして人種の壁を越えて、お互いに肩を支え合う姿こそが今作で提示したかったヒーロー像であるように思います。ラストのヒロインのセリフにも繋がる大事なシークエンスであったとも思うのです。


ーIsn't it about time somebody saved your life?

ー誰かがあなたの事を助ける時じゃない?


◆ Being brilliant’s not enough, young man.
ーYou have to work hard.

今作のヴィランも前作と同様に、非常に悲しいキャラクターでした。核融合実験の失敗によって《人工知能を搭載した四本のアーム》に支配されてしまった優秀な科学者であるOctavius(Alfred Molina)。怪物と化してしまう前の彼は謙虚で温和。Peterが慕い、尊敬する科学者の一人でした。


Intelligence is not a privilege, it’s a gift.
And you use it for the good of mankind.

ー知性とは特権ではなく授かり物である。
ーそしてそれは人類の為に使う物である。


Peterを気に入り、優秀な学生と見込んでアドバイスまでしてくれたOctavius。彼の精神が汚染されてしまってからは、実験の成功という目的にのみ囚われてしまい、倫理観が壊れて行動も滅茶苦茶になっていきます。

ヴィランのキャラクターについての深堀は前作ほどなされていませんでしたが、今作のメインはあくまでも《親愛なる隣人》の復活だと思っているので、この点をとやかく言いますまい。四本のアームがギュルギュル動いてくる絵面だけで楽しかったですし。


驚異的な特殊能力を得た青年(アメイジング・スパイダーマン)が、伯父の死に対する罪悪感という呪いから解放され、親愛なる隣人(フレンドリー・ネイバーフッド)として蘇った。今作の意義と見所は其処でした。自らの罪を伯母へ告白した勇気は賞賛に値するもの。

同じスーパーヒーローであるとしても「義務」のような「受動的な動機」ではなくて「意志」という「能動的な理由」であることがこんなにも尊い。


ーGo get 'em, tiger!


𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 𓈄
Dear.クラリスちゃん

色々スパイダーマンの映画はあるけど、シリーズ全部観ているのは(しかも複数回)Sam Raimi版だけなんだよね。アメスパもトムホ版も一作目を一回だけ観てなんか違うなって思っちゃって。。
今回のマラソンでしっかり違いを見比べたいな!