ゼロ

スパイダーマン2のゼロのレビュー・感想・評価

スパイダーマン2(2004年製作の映画)
5.0
ヒーローとしての葛藤を描くシリーズ第二弾。

サム・ライミ監督版スパイダーマン3部作の第2作目。物語としては、グリーン・ゴブリンとの死闘から2年後を描きます。

サム・ライミ版のピーター・パーカーは、悩み多き青年と言った印象を受けます。スパイダーマンという誰にも真似できない能力を手に入れたにも関わらず、私生活では大学は落第寸前、アルバイトはクビを宣告される、愛すべきメリー・ジェーン・ワトソンは婚約者がいる。あまりにも恵まれない環境に、徐々にスパイダーマンとしての能力を精神的な問題で失っていくのは面白いなと思います。

本作のヒロインであるメリー・ジェーン・ワトソンは、前作もそうでしたが、今作も彼氏を変えるは、婚約するは…とあまり好感が持てないヒロインです。ある意味、現実的な女性を描いているのかもしれませんが。

本作の敵は、ドクター・オクトパス。手足と腕がうじゃうじゃしている敵ですが、スパイダーマンの敵と言ったら、彼を思い浮かべます。それくらいの印象を持つ存在です。

本作品が面白いのは、ピーター・パーカーの私生活とヒーローの両立が困難であることを実感し、ヒーローの廃業をしますが、愛すべき市民を見捨てることはできないからヒーローに戻るという成長劇にあります。亡き人からの助言も彼の助けになり、青年の成長物語として楽しむことができます。

前作よりも予算が増えたのか、アクションシーンにも迫力があります。今、観ると古い部分はありますが、当時は第77回アカデミー賞において視覚効果賞を受賞するなど最先端のものでした。

続編となると、どうしても前作よりスケールだけがパワーアップし、中身が薄くなる作品が多い中、前作よりもピーター・パーカーを深掘りした本作。正にアメコミの映画を観る中でも、観ておかなければいけない作品の一つでしょう。

様々な感情が入り乱れながら観ることができた作品でした。
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