千年女優

ゴジラの千年女優のレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
4.0
復興進む1954年。小笠原諸島の近海で貨物船が立て続けに沈没事故に遭い、生存者を救助した大戸島の漁船もまた失踪。不審に思って取材へ訪れた新聞記者は島民から島に伝わる怪物「ゴジラ」伝説を聞く。事態を重く見た政府が結成した調査団がその存在を目の当たりにし、やがて日本を震撼させる事態へと発展する様を描いた怪獣映画です。

米国がビキニ環礁で行った水爆実験で日本の遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員が放射性降下物を浴びた事故をモチーフに東宝が監督の本多猪四郎、特殊技術の円谷英二、脚本の村田武雄、音楽の伊福部昭らを結集して制作した1954年公開の作品で、961万人動員の大ヒットを記録して世界中に広まるシリーズの記念碑的作品となりました。

CGのなかった時代の白黒映画ながら素晴らしい特撮とミニチュアで臨場感を演出し、それを象徴的なテーマ曲で盛り上げて一級のパニック映画としています。そんな迫力十分な物語の背景に文明が作り上げてしまった生物というテーマを忍ばせて単なる「怪獣」からの踏み込みをも見せていて、想像力と創造力の両面で抜かりのない金字塔です。
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