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ゴジラのtackyのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
5.0
VFXには無い、魅力的な円谷英二御大の完璧な特撮。
俳優陣やエキストラまで、特撮作品とは思えない演技力。
この時代に、逃げる人々、殺戮される人々を、詳細に描いた勇気。
伊福部氏の現代にまで語られる、大ヒット曲「ゴジラのテーマ」、「地球防衛軍のテーマ」。
物語としても、根底にある「核」に対する嫌悪が、「ゴジラ」という魔物を通して語られる。

すでに、昭和29年の時点で、「ゴジラ」という物語は確立されている。それ以降は、今日に至るまで、どんな名作であれ、オマージュ作品に過ぎない。

そして、クライマックスには、全ての出演者を食ってしまう、平田昭彦の芹澤博士の存在感と、オキシジェン・デストロイヤーという魅力的な発明が素晴らしい。
まさに芹沢博士の為の作品である。

ただ一点、河内桃子の滑舌の悪さは、浜辺美波に匹敵するぐらい酷かったが。

「核ある限り、次のゴジラがまた生まれてくる可能性がある。」ラストの志村喬の言葉が、今日でも突き刺さる。
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