Masato

ゴジラのMasatoのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
4.6
大戸島に突如現れた巨大生物、人々が恐れ逃げ惑う。大戸島に残る伝説の生き物になぞらえて、その巨大生物は「ゴジラ」と呼ばれた…

シン・ゴジラ公開記念。記念すべき一作目を鑑賞

私の思い出すゴジラはドリームキャストのゲームです。ゴジラになって破壊するゲーム。その時に伊福部さんによるメインテーマも覚えました。

約60年前の日本にここまでクオリティの高い怪獣映画があったとは思わなかった。甘く見てた。60年前にここまで不安や悍ましさをそこまで発達していない映像技術なのに表現できたというのが素晴らしい。
ここまで耳に残る足音はいままでにない。ドン…ドン…ドン…恐ろしい。

ストーリーはいままであるモンスター映画と変わりはないが、1954年であるからこその深みや重さにメッセージがある。

そのメッセージとは「戦争」である
戦後10年と間もない時代に作られたゴジラ。
「また疎開か…」や「おとうちゃまの所へ行くのよ」など、所々のセリフに戦争の名残が見える。ゴジラが街を襲うシーンは東京大空襲や広島の原爆が落ちた後の風景に見えたり、戦争の凄惨さをゴジラに置き換えて表現し、重いメッセージがあるのが素晴らしい。
芹沢博士の作った代物がいずれ兵器に使われるかもしれないという、70年前にあった戦争の愚かさの心を忘れない姿勢があるということを映画で表現しているのが凄く良い。
戦争を体験した人たちから演技として見ていても切実に思うところがあった。

私はゴジラを悪という存在で見ることはなかった。ゴジラというものは人の手によって作られた生物である。だからこそ、人間の愚かさの象徴でもあり、破壊によって平和の心を知る平和の象徴でもあると思う。だから悪というよりも一種のヒーローではないかと思った。

今尚続く水爆実験。人類の愚かな行いは結果的に人類の破滅に繋がる。

平和を一途に願った傑作映画。必見。
Masato

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