広島カップ

ある殺し屋の広島カップのレビュー・感想・評価

ある殺し屋(1967年製作の映画)
3.1
"殺し屋"という言葉はもはや二世代前の昭和で死んでいるかもしれませんね。
しかしその殺し屋という言葉に引き摺られるようにイメージされる世界が魅力的な作品。

「色とケジメのつかない男はゴメンだな」
大金と引き換えに裏世界の大物ヤクザをターゲットに殺しを請け負う男(市川雷蔵)はそう言う。
普段は小料理屋の店主として新鮮な魚を捌き、夜は腐った大物を捌く。
端正な顔立ちで無駄口をたたかず抑揚無く喋るメチャメチャクールな殺し屋。
羽田空港近くの海辺の荒涼とした土地に建つ、墓場が隣にあるボロいアパートを借りて身を潜め決行の時を待つという場面設定は、少し大袈裟な感じもしますがいかにも昭和らしく今ではもう再現出来なくて渋い。悪党からせしめたヤクが隣の墓地の墓石の上に置いてあるというカットも粋です。
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