KnightsofOdessa

盗馬賊のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

盗馬賊(1985年製作の映画)
3.0
No.775[ブラックアウトが連続性を完全に殺している] 60点

1923年のチベットで起こる馬泥棒一家の悲劇の映像詩。上映前にリマスターされた本作品がチベット語オリジナルではなく中国語吹き替えであることを伝えられ、口の動きばかり見てしまった。ロシア語版「ざくろの色」やイタリア語版「ルートヴィヒ」を思い出して背中がむず痒いったらありゃしない。プーさんめ、やることがエゲつないな。

貧しさから馬泥棒を働き部族から追放されて破滅の一途を辿るノルブ一家の年代記であり、映像が美しすぎて悲劇性が極まる。紙吹雪、マニ車、水鎮祭等々チベット文化の儀式を巡るだけでこうも美しくなるのか。

しかし、毎シーンブラックアウトで終わるのが気にくわない。没入感を阻害するというか、連続性を完全に殺している。吹き替えとブラックアウトで私もアウトだった。最後雷に打たれて爆散したとこ以外は乗り切れず、と言うより乗る前にシーンが終わってたという印象。

にしても寒そうなのにノルブはほぼ上裸であり、こっちがくしゃみしそうだった。そんなバーチャル体質は私と深川麻衣だけなようだ。

追記
中国の伝説なら「風の物語」の方が好き。
KnightsofOdessa

KnightsofOdessa