イペー

ザ・キープのイペーのレビュー・感想・評価

ザ・キープ(1983年製作の映画)
3.5
マイケル・マン監督のフィルモグラフィーに一際珍妙な華を添えるファンタジックホラー。

第二次大戦下のルーマニアの寒村に聳え立つ古代の城塞。そこに駐留するナチス兵たちが次々と怪死を遂げる。事態を重く見た親衛隊長は城塞に詳しいユダヤ人教授を収容所から連行し、解決に当たらせる。
一方、城塞を目指す謎の男。彼こそが城塞に邪悪な存在を封じ込めた者。封印が解けた事を知り、彼もまた深い眠りから目覚めたのであった。

粗筋とか要らないか…。疲れちゃった…。
スケールの大きな話が90分という尺では到底収まり切らず、展開に過不足ありまくりです。よってストーリーを楽しむ作品ではない。これはもうしょうがない。
そもそも皆が邪悪な存在さん(名前が無いので)の事をそっちのけでケンカしたり、イチャイチャしたりしてるから、時間が足りなくなるんだよ!
邪悪な存在さんのイカしたルックスや神通力、もっと見せて欲しかった…。
という訳で、非常にバランスの悪い映画なんですが、ロングショットや俯瞰ショットなど、奥行きのある画の切り取り方なんかはマン監督の真骨頂が垣間見られます。
チープなSFXや、タンジェリンドリームの無闇に物々しい音楽も、自分にとっては好印象でした。
中々の珍品である事に疑いは無く、だからこそ半ば封印されていたのかな?
今後も、こういう作品を愛する姿勢は"キープ"していきたいと思います。
イペー

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